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「充電出力」が普通充電設備選びのカギになる!

自宅や職場など日常的に長時間駐車する場所をはじめ、宿泊施設など目的地として長時間駐車する場所で行われるのが普通充電です。普通充電設備は充電時間を長く確保できるため、一般的に出力の低い充電器で良いとされています。ただ、本当にそうでしょうか。普通充電設備に最適な充電器の充電出力はどのぐらいなのでしょうか。
ここでは、普通充電の充電設備で大切な要素「充電出力」を中心に説明します。

充電は「いつも満タン!」が正解ではない?

ガソリン車に比べると、電気自動車(EV)の充電は時間が掛かります。ガソリン車なら、ガソリンを満タンにするには数分あれば十分ですが、電気自動車の充電を充電が少ない状態からほぼ満充電の状態にするには、急速充電器を使っても約30分、普通充電器を使う場合は数時間掛かります。
ただ電気自動車(EV)の場合は、ガソリンを毎回満タンにするように、毎回満充電することが正解ではありません。なぜなら、満充電のまま放置することは充電池を劣化させる原因となるからです。日常生活では常に80〜90%程度の充電状態で使用するのが正しいとされています。
そのため、多くの電気自動車ユーザーが、自宅やホテルなど長時間駐車している間に普通充電で充電することを基本とし、急速充電は必要に応じて…という充電スタイルで電気自動車に乗っています。
ちなみに普通充電は、100〜200Vの交流電源を使って3〜6kWの程度の充電出力を備えた充電施設で、比較的時間を掛けてゆっくりと充電する方法です。
電気自動車に充電できる電力量は、一般的に充電出力(充電出力=電力=電圧×電流)と時間で導き出されます。例えば、200Vの電圧で15Aの電流を流す充電設備なら充電出力は「3kW」となり、1時間で3kWの充電出力を備えた「3KWhの充電設備」と言えます。

普通充電設備でも「充電出力」が3kWと6kWでは大違い!

普通充電設備は、長時間駐車をしながら充電することが多い場所に設置されており、一般的には「3kW」または「6kW」の充電出力で充電されています。例えば、バッテリー容量40kWhの電気自動車で、電池残量10%から100%まで満充電するには「40kWh × 90% = 36kWh」の電力量が必要なので、充電出力3kWの充電設備なら「36kWh ÷ 3kW =12時間」が必要です。
もし200Vで30Aの電流を流せる充電出力6kWの充電設備なら「36kWh ÷ 6kW =6時間」となり、わずか半分の6時間で満充電が完了する充電施設ということになります。3kWは朝出発するギリギリまで充電、6kWなら目覚めたら充電が完了している状態です。
夕方19時に帰宅して充電量10%の状態から満充電にするには、3kWの普通充電器なら翌朝出発前ギリギリの朝7時まで掛かります。しかし、6kWの普通充電器なら6時間で完了するので、翌午前1時には満充電が完了しており、朝目覚めたらすでに満充電でいつでも出発できる状態です。この差は結構大きいと言えるでしょう

たとえゆっくり充電できる普通充電設備であっても、充電出力の差は大きく充電時間に影響します。ゆっくり充電できる普通充電設備であっても、充電出力にはこだわって充実した電気自動車(EV)生活を送りましょう。